きゅんとする
猫のかぁちゃんことせんせいが数日ぶりに帰って来た。
すっかり痩せてしまって、力のない目をしている。
GWも、もうすぐ終わり。
そういえば、毎年この時期にお泊りにきてくれるお客様のIさんが、昨年いらしたいた時も、かぁちゃんはごはんを食べることができなくて激ヤセして、今にも死にそうだった。
わたしは、バカみたいに泣いて赤くなった目で、かぁちゃんがフラフラになって雑木林に消えていくのを見ていた。
あれから、一年。
もう帰ってこないんじゃないかと思っていたかぁちゃんは、1か月間行方不明になった後に、戻ってきて、(もちろん激ヤセしたままだったけど)なんとか生き延びている。
お客様に、昨年死にかけてた猫ですよ~~なんて、言って。泣いていたのが、本当にバカみたいだ。
この時期、本来、猫達は繁殖期だ。
元ノラだったかぁちゃんも、避妊手術済みだといえ、本能的に、そわそわするのか、それともサカリのついた雄猫たちが放っておかないのか、わからないけれど、どうやら春先は家出の季節だということが、何年かかぁちゃんと一緒にいてわかってきた。
かぁちゃんの目を見ていると、なぜか胸がきゅんとする。
どうして、もう少し、楽に生きられないのかと。
他の、うちの猫達のように、ずっとここにいて、ぬくぬくと暮らしたらいいのに。
(出て行ったイチくんを除いて。イチは母ちゃんに性格も顔もそっくりだったから。)
まっすぐな目をしている。
儚い、この時を、猫として、猫の一生を過ごすのだろうね。
娘は4月から保育園に通いだした。
娘を迎えに行った帰り道、車のフロントガラスからの景色。
道すがら、テッポウユリが満開だ。
街路樹の八重山ヤシの影は長く落ちていて、空も一段と青く、夏の訪れが近い。
娘は、保育園にいる間、ずっと泣いているらしい。
(おやつと昼食を食べるとき以外ね(^^ゞ)
信号待ちで、娘に話しかける。
「どおして、ずっと泣いてるの?泣かないよ、泣かないで。
ハイタッチして。」
意外にも笑顔で手を差し出してきた。
タッチ。
少し前は、まったく言葉を理解してなくて、そっぽを向いているか、泣くか騒ぐかしかしなかったのに。
笑顔に、きゅんとしてしまった。
泣かないで、っていったわたしが、ちょっと涙がでたよ。
わかった、ピュアな瞳をみてしまうと、胸がきゅんとしてしまうのか。
道理で、とっくのとうに、大人になってしまったわたしが、ここ最近、きゅんとすることがなかったわけだ。
関連記事