きゅんとする

渡り鳥よーこ

2016年05月06日 23:30


猫のかぁちゃんことせんせいが数日ぶりに帰って来た。
すっかり痩せてしまって、力のない目をしている。

GWも、もうすぐ終わり。

そういえば、毎年この時期にお泊りにきてくれるお客様のIさんが、昨年いらしたいた時も、かぁちゃんはごはんを食べることができなくて激ヤセして、今にも死にそうだった。
わたしは、バカみたいに泣いて赤くなった目で、かぁちゃんがフラフラになって雑木林に消えていくのを見ていた。

あれから、一年。

もう帰ってこないんじゃないかと思っていたかぁちゃんは、1か月間行方不明になった後に、戻ってきて、(もちろん激ヤセしたままだったけど)なんとか生き延びている。
お客様に、昨年死にかけてた猫ですよ~~なんて、言って。泣いていたのが、本当にバカみたいだ。

この時期、本来、猫達は繁殖期だ。
元ノラだったかぁちゃんも、避妊手術済みだといえ、本能的に、そわそわするのか、それともサカリのついた雄猫たちが放っておかないのか、わからないけれど、どうやら春先は家出の季節だということが、何年かかぁちゃんと一緒にいてわかってきた。


かぁちゃんの目を見ていると、なぜか胸がきゅんとする。

どうして、もう少し、楽に生きられないのかと。

他の、うちの猫達のように、ずっとここにいて、ぬくぬくと暮らしたらいいのに。
(出て行ったイチくんを除いて。イチは母ちゃんに性格も顔もそっくりだったから。)

まっすぐな目をしている。
儚い、この時を、猫として、猫の一生を過ごすのだろうね。


娘は4月から保育園に通いだした。
娘を迎えに行った帰り道、車のフロントガラスからの景色。
道すがら、テッポウユリが満開だ。
街路樹の八重山ヤシの影は長く落ちていて、空も一段と青く、夏の訪れが近い。

娘は、保育園にいる間、ずっと泣いているらしい。
(おやつと昼食を食べるとき以外ね(^^ゞ)

信号待ちで、娘に話しかける。

「どおして、ずっと泣いてるの?泣かないよ、泣かないで。
ハイタッチして。」

意外にも笑顔で手を差し出してきた。
タッチ。
少し前は、まったく言葉を理解してなくて、そっぽを向いているか、泣くか騒ぐかしかしなかったのに。

笑顔に、きゅんとしてしまった。
泣かないで、っていったわたしが、ちょっと涙がでたよ。

わかった、ピュアな瞳をみてしまうと、胸がきゅんとしてしまうのか。
道理で、とっくのとうに、大人になってしまったわたしが、ここ最近、きゅんとすることがなかったわけだ。




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